你好!台中 ~ にいはお!たいちゅう ~留学記

70まじか、ものずきシニアの台湾台中留学生活

飯館(食堂)

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※小規模な飯館の一つ。雨の日の昼どき。店先には分かりやすくメニューが掲げてあります。繁体字繁体字。注文して代金を支払う学生。風通しのいい厨房で調理中の従業員。ガラスドアの奥には、座って食べる客。ここの会計は先払い方式。従業員募集中のビラ。

 

 さて今日は、「外食族」である私がいつも利用している、飯館がどんなものかを紹介します。 

 

  飯館とは、文字どおりごを食べさせる (みせ)です。と言っても、レストランのように高級で豪華、広い店ではなく、学生や一般市民が普段着で気軽に利用する店で、日本語では「食堂」が最も近い言葉だと私は思います。日本では、個人経営の食堂が次第に姿を消しつつありますが、台中では飯館が健在です。

 

 私の住むアパートの近くは、飯館が道と小路の両側にずらりと並ぶ、飯館の一大集積地と言うべき界隈です。店の大きさはいろいろで、最も一般的な規模は5~7坪程度というところでしょうか。客席の規模は、小さい店では10席程度、中規模な店で60~70席程度でしょうか。

 この一帯は学生街ですが、台湾の学生アパートは、調理器具の無いのが普通です。しかも台湾の家庭は、外で食べることが普通ときています。こういう、外食がしっかりと根付いた文化が変わらない限り、中小零細規模の飯館商売は安泰なのでしょうか…?

 

 本日の画像を参考に、飯館のシステムを紹介しますと:

 台湾の飯館のレイアウトで、日本の食堂と最も違う点が厨房の場所です。日本の食堂の厨房は店舗の最も奥にあって、カウンターやのれんの向こうにチラリと見えるものですが、台湾では、店先にいきなり厨房があります。この厨房は、壁で囲んだ部屋というよりは風通しの良い「調理場所」とでも言うべきもので、夜店のそれのように、キャンプの調理場所のように、調理コンロや油で揚げる器具や寸胴鍋、食材、ガスボンベなどが見えます。昼食夕食の書き入れどきともなると、従業員(☜家族経営が多いです)が忙しく立ち働く様子がじかに見えます。調理場所の「囲み」は、せいぜいが胸の高さまでで、客はここで料理を注文・会計します。

 注文の際、多くの店で最初に意思表示しなくてはならないことが、店で食べるか、容器に入れて持ち帰るのか、の区別です。多くの店が店内で提供するだけでなく、持ち帰り弁当も提供しているからです。店で食べることを「内用(nei4yong4)」と言い、黙っていると「ネイヨンマ (店で食べますか) ?」と問われます。イエスなら、「内用」と答えてもいいし、人指し指で店の中を指すだけでも通じます。持ち帰りなら、「外帶」「便當(=弁当)」などと言います。

 注文方法は、ほとんどの飯館が印刷された注文票を使っています。客は選んだ品目にチェックを記入して、調理場所に立つおばさんに渡します。会計は店によって、先払いの場合と後払いの場合があります。先払いの店では、「請先付款 (先払い願います) 」と書いたプレートを調理場所に掲げてあります。いずれの場合も、客は注文を済ませてから店の奥に向かい、空いているテーブルに座ります(☜店によっては、先にテーブルに座って注文票に記入し、それから調理場所に戻って渡してもかまいません)。

 飯館の奥は壁もフロアも装飾のない、殺風景な場所であることが多いです。置かれたテーブルも簡単なつくりで、椅子もプラスチック製の簡単なものです。簡素なテーブルの前で、派手な色のプラスチック製の椅子に座ると、なんだか自分が銭湯にいるような気持ちがしてきます…。また、夏ならば店によっては蚊が出没し、食べている間に刺されます。

 なお、飯館ではふつう、箸やスプーンは壁ぎわ一か所のテーブルにまとめて置いてあります。客は、自分の使う分をそこから持ってきます。店によっては、お茶やス-プ (☜サービス品なので、文字どおり「湯」に近いスープもあります) をサービスに用意してあります。

 また、店によっては食事後、客に自分で食器を指定場所に片付けさせます。ファーストフード店での後片付けと同じ方式ですね。

 

  以上、飯館での注文にハードルは少なく、難しいことはありません。しかし、すべてがスムースに進むわけではなく、「よく分からず」も残っています。

 その一つは、印刷された注文票を置いていない場合です。本日の画像にあるように、その飯館が提供する料理の一覧は、多くの場合、価格とともに店先の看板に書いてあります。しかし、仮に店内に注文票がなければ、口頭で注文を伝えなければなりません。つまり、その料理の名前を発音できなければなりません。これが台湾に限らず料理の名前というのは、読めない字を使うことが多いのですね……。ま、ほとんどの飯館には注文票が置いてあり、読み方を覚えた料理を繰り返し繰り返し注文する分には、問題ありません。

 もう一点は(どんな国でもありそうなことですが)、読んでもどんな料理なのかが分からない場合です。中華料理の料理本でも眺めない限り、餃子、魯肉飯、炒飯、麵、湯 (スープ) 、青菜などの「基本メニュー」をもとに、食べたものの名前を一つ一つ覚えていくしかないようです。どうも飯館の料理というのは、名前がにぎにぎしく、食べてみるとたいしたものでないことが多い、という気もするのですが…。

 

 ところで、すでに2カ月近く、これらの飯館のあちこちで食事をしている者として、総評すると:

(1)全体に薄味であることが多い。出汁(だし)を使わないせいでしょうか…。

   しかし塩分が少ない分、健康的とも言えます。

(2)まったく美味しくない店も数多い。美味しさは、必ずしも価格に比例するわけで

   もありません。リピートする気になるのは、十軒に一軒程度でしょうか…。

 (3)一部の店は看板に「日式 (日本風) 」を掲げています。ほとんどが拉麵(ラーメ

   ン)です。ラーメンは数軒で食べてみましたが、日本の各地のラーメンとは麺、

   スープとも、およそ異なるものです。まぁ、あくまで「日本」ですな。(☜もち

   ろん商売としては、「本場の味」を正確に再現するより、台湾人に好かれること

   の方が大事です。念のため。)

  

 

  100%飯館の話で、今日はこれまで。