飲料店 (Beverage Store)
※大学前の「50嵐」。ここはチェーン店なので店舗はすっきり、従業員は制服を着ています。場所がら、昼の時間はもっと込みます。こうした店のほかに、老闆 (個人オーナー) が営む飲料店もたくさんあります。
今日は、ここ台中でひんぱんに見かける、飲料店なるものを紹介します。
飲料店とは、飲み物(☜持ち帰りできる冷飲料)だけを販売する店です。
「飲み物だけを販売する店が、そんなに珍しいのか?」と思われるかもしれません。日本でも、例えば神社やお寺のお祭りには、フルーツジュースの夜店が出たりします。また、大きな都市の地下街では、店に生搾りジュースの立ち飲みコーナーを置いたりします。しかし台中のそれはすべて独立店舗で、しかも半端な数ではありません。数多いことが珍しいのです。
私が住むこの界隈は、常設の飲食店が数百メートルにわたって並んでいますが、そのなかを数十メートルも歩かないうちに、飲み物しか置かない飲料店をすぐに見つけることができます。「こんなに飲料店ばかりで、つぶれることはないのか?」と思ったりするのですが、みな、それなりに商売が成立しているようです。
本日の画像の店は、台中市内でチェーン展開する店舗の一つで、メニューは画像の右側、天井から下がっているプレートに書いてあります。紅茶、緑茶、ウーロン茶、名産茶といった各種のお茶と、ミルクティー類(☜奶茶と拿鐵に分かれます。奶茶は粉ミルクを、拿鐵は牛乳を混ぜているのだそうです)、それと檸檬やグレープの果汁飲料という3種類で、商品数は全部で50もありません。この会社は、これらの品揃えだけで20年以上会社を続けてきました。これ以外にも、飲料店をチェーン展開する会社はたくさんあり、台湾における飲料需要の底固さを感じます。
なお、自営の飲料店の場合は、お茶に加えてマンゴーやスイカ、バナナ、冬瓜など、季節の果物を絞った生ジュースを一緒に売ることが多いです。
飲料の注文方法はどこも同じです。一つには、カップのサイズ(☜MかLか)を指定します。LサイズはMサイズの倍ありますが、料金が割安なので、ほとんどの客がLを買い、ぐびぐびとストローで吸いこみます。二つ目はーーお茶や奶茶の場合ですがーー甘さを指定します。微糖も無糖もあります。価格は内容や大きさに応じて、ひとカップ数十元から百元程度までです。
飲料店の客の主体は、若者のようです。この界隈は学生街なので、なおさら多くの飲料店が成り立っていると思われます。
なぜ台湾では、これほど飲料店が多いのか。なぜ台湾人はこれほど飲料を好むのか?
ーー私はこれを、ある台湾人に質問してみました。その人は日本に一年は滞在したので、日本の事情を知っている人です。
その答えは、①台湾は夏が長く暑いので、冷たい飲み物が好まれる。②台湾人は飲み食いすることが好きだから、でした。
それじゃあ、日本で時々耳にした「冷たいものを一切飲まない中国人もいる」という点は、台湾ではどうなっているのでしょうか?
答え:男性はまったく関係ない。
女性の場合は、身体の条件を考慮して控えることがある。
なるほど。少しは中国らしい奥深さが感じられる答えでした。
いずれにしても、ところ変われば常識も違う、の例でした。
なお、世界中で消費量が増えているコーヒーですが、台湾は今のところ、はっきりと(コーヒーではなく)お茶の圏域です。また、日本ではおなじみの飲料自動販売機、台湾にもあるにはありますが、これら本物の飲料店があるためか、数は限られています。
飲料店100%のテーマで、今日はこれまで。