知らないと困るトレぺ問題
ここ数日で、気温がどんどん上がってきました。昼下がりの室内、現在は25℃です。
夜寝苦しくなるのも、そろそろ時間の問題なのかもしれません。
さて今日のテーマは、トイレット・ペーパーです。
私が初めて台湾に来たのは一昨年、団体の短い観光ツアーでした。桃園空港を出ると、案内役のCさんはホテルに向かって走るバスの中で、日程の説明やら台湾ドルへの換金方法やらとともに、トイレの使い方を説明してくれました。すなわち、
「台湾のトイレは水洗トイレだけれども、使った後の紙は、決して流してはいけません。詰まります。便器のそばにバケツが置いてあるので、必ずこれに入れるように。」
トイレットペーパーは置いてあっても、水に流してはいけないものなのでした。
その後、私が留学を念頭にネットでさまざまな台湾情報を調べていると、トイレで使用する紙について新しい情報がのっていました。いわく、最近水に溶ける紙が発売され、流しても差し支えないようになった、とのことです。
まさに技術は日進月歩です。かつての「やってはいけないこと」が、数年で解決するのです。
そういうわけで、私が当地で生活用品を買い揃えた際も、求める紙の条件は「トイレで流せる」であり、こればかりは中国語で言って探しました。店員が「これです」と示す製品を手に取ってその「用途」欄を読むと、確かに『水中ですぐ分散するので、安心して便器に流して下さい』と書いてあります。見つかりました。
で、どうしてこのような「流せるトレペ入手」の経緯を書いたのかといえば、最近、日本人数人で話す機会があり、話しているうちに、たまたまトイレが話題になりました。
するとうちの一人が、数か月前にトイレを詰まらせてしまい、業者を呼んで修理代を払って直した、とのことでした。「少し厚手の紙を使っていたから…。」
やや驚いたのはその後で、彼はこれに懲りてそれ以来、便器に紙を流していないのだそうです(☜こうしたことを、羹 (あつもの) に懲りて鱠 (なます) を吹く、と言います…)。これを聞いた二人が
「えっ? じゃ、どうしてるの? 水に溶ける紙を使えばいいじゃないか。袋のうしろの方に『溶ける』って書いてあるし。我々二人とも使っているけれど、全然問題ないよ。」
と言うと、彼が「あれっ? そうなの?」となったところで、話は終わりました。
次回買い物に出たら、彼は間違いなく水に溶ける衛生紙を買うでしょう。
彼はまだ若く、海外生活はおそらく、これが初めてだと思います。もちろん中国語は読めません。台湾のトイレは、見たところ日本となんの違いもないので、詰まってしまうまで何の心配もなしに使っていたのです。
こんなことに注意しろとは、アパートの契約書にも、華語中心の日本人有志が新入生に作成してくれた心得にも書いてありません。「当然知っておくべきこと」だとも言えるし、「書くまでもないこと」だとも言えます。しかし事情を知らない人にとってみると、落とし穴のようなものです。
結局、こうした「知らないと困る」注意事項に関しては、本人から聞かれる前に、また聞かれなくても、先回りしてアドバイスする人が必要なのです。そうした面倒見のいい人が周囲にいなければ(☜実際には、なかなかいません)、私が住む場所のように多くの外国人も住むアパートである場合は、入居する時に、大家が必ず読ませたらいいと思います。
それだけで、外国人居住者の無用な我慢や、逆のついやってしまうトラブルが、かなり減ると思うのですが。(☜後日注記 : このトレペ問題、「水に溶けるトレペを使えば全て解決…」とはいかないかもしれません。結局、最も信頼できる方法は、水に溶けるトレペを部屋の大家に実際に見せて、「これ、流してもいいですか?」と確かめることですな…。)
今日の三言:朝、授業に遅刻して来る学生が多い。
いったい何を考えているのか。
学校ルールの「15分以上の遅刻は欠席」でも甘過ぎる! 受不了!