你好!台中 ~ にいはお!たいちゅう ~留学記

70まじか、ものずきシニアの台湾台中留学生活

静かな朝

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 ※市内「宮原眼科」のみやげもの販売部門。吹き抜けの本棚類、実はディスプレイです。比較的高級な台湾みやげを揃えています。この上の階はレストラン。右端のぐるぐる模様の服の女性は従業員です。

   

 北野:あのー、今回のタイトルの「静かな朝」って、何のことでしょうかね?

 北代:なんだか変な題目よね。これまでにあまり、なかったような…。

 北野:語学留学がテーマのブログというより、なんだか、夏のキャンプや林間学校の

    朝の感じですよね。

 北代:それって、もしかしてホラ、あの「♪♪ 静かな湖畔の~  ♪♪ 森の影から~」って

    いう歌じゃない?

 北野:その歌、ぼくも知ってますよ。次は「♪♪ もう起きちゃいかがと 」でしょ。 

 北代:そう。それそれ。でも、台湾って、そんなに静かなところなの?

 北野:いやー、どちらかと言うと、「静か」というよりは賑やかな感じですね。

 北代:じゃ、まぁ、とにかく読んでみようかしら。

 北野:そうですね。 

 

  ある日の朝。それは金曜日でした。

 いつものように、エレベータで4階の華語中心まで上がり、教室に入りました。

 誰もいません。私が一番乗りです。

 いつもの席につき、デイパックを肩から下ろします。

 毎日、気温があがっています。教室の中も、どよんと温かい空気が溜まっています。

 そこで、天井のファンを回します。

 いつもの場所に座ってデイパックを開き、テキストを取り出し、音読を始めます。

 今日は静かです。いつもなら、この時間から登校して来る学生が数人いて、教室のドアから、回廊でパンをかじるのが見えたりしますが、今日はまだいないようです。

 そのうちに、キ~ン ♪ コ~ン ♪ と鐘が鳴りました。

 もう8時です。授業開始まで10分となりました。

 依然として静かです。私はテキストの音読を続けます。

 いつもなら、アメリカ人のJかイタリア人のYが、そろそろ教室に入って来ます。しかし今日は、まだ来ません。私はテキストを読みながら、頭の隅でつらつらと想います。

 (Jときたらアメリカ人なのに、朝の挨拶をしても、まったく反応せずだ。ムッときて、以来、私は声をかけない。変わったやつだ。同学どおし、挨拶の一言くらい、したらどうなんだろう? 若いとは言え、やることが子供だ。帰国後は入隊するというが、あんな調子で、厳しい軍隊でやっていけるのか? ……ところで、この「アメリカ人なのに」という発想は、典型的なステレオタイプ・先入観だな。まぁ、何国人だろうと、挨拶をしないのは良くない。

 それと、Yだ。彼は昨日の話だと、また引っ越すという。1年で5回目?  彼が住むアパートは、なぜこんなにトラブルが多いのか?  落ち着かないにも程度がある。こうなると、アパートを選ぶ際に、彼は何か大切なことを間違えているのではないか? 

 だいたいがこの二人は、なぜか二人とも、一番後ろに座るのだ。早く来たからには、もっと前の席に座ったらどうなのだろう…。ぶつぶつぶつ……)

 (それにしても、そろそろ老師が来る時間なのに…今日はずいぶん…)と思っていると、再び鐘が鳴りました!   キ~♪ンコ~♪ンカ~♪ンコ~♪ン、

 あれっ!? すぐに時計を見ると、間違いなく8時10分!  

 ということは、すでに授業が始まる時間です! 

( あれっ …? 変だな…?)

 見回しても、教室の中には私以外、学生はおろか先生さえ来ていません。

 教室の外に耳を澄ませても、人の気配がありません……。     ということは…

 さすがの私も、ここにきて、ようやく気がつきました。

 明々白々の結論:今日は授業がないのです。そもそも、学校はお休みなのです。

 …そうだったのか…。知らないのは、私一人だけのようだ…。

 私は静かにテキストを片づけ、静かに教室を出ました。

 教室の外は、相変わらず静かでした。

  

 「明日はイベントがあります。参加する学生は、12時〇分に会場に来るように」ということは、昨日の授業中に老師から告げられていました。私の場合、金曜日の授業は11時で終り。明日のイベントは午後の1時から3時だそうで、けっこう長い時間です。

 (ということは、午前の授業を終えていったん帰宅し、昼食をとってから、また大学に来ればいいや )と、私は考えました。

 それが、まさか、そもそも一日中授業をやらないとは…。

 しかし、よく考えてみると、このイベントは全校行事なので、全学生が参加できます。つまり、午後のクラスに登録している学生も参加します(☜同じレベルであっても、学生それぞれの都合に合わせて、午前クラスと午後クラスが選択できるのです)。仮に午後クラスの学生がこのイベントに参加しようとすれば、彼は授業に出られなくなります。そういうわけで、全校イベントを開催するなら、その日の授業は全てお休みにするしかないのです。

 で、私の老師もいつかの時にクラスで、当日は全面休講となることを告げていたのでしょう。おそらくは、私が聴き取れなかったものと思います。聞き取れないとよくありがちな外国人の誤解の実例でもあります。

 これがクラスのなかに別の日本人がいたら、状況は違っていたかもしれませんが、没办法!

 まぁ、さほど実害のない勘違いだったのが救いですな。

 

 

 静かな朝が終りました。あまり繰り返したくない朝でした。

 今日はこの程度で。